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新型コロナワクチン3回目接種を希望される方へ
更新日:2022/02/05
先日から新型コロナワクチンの3回目接種(ブースター接種)が始まりました。この意義についてお話しておきます。結論から先にお話すると3回目を接種してもオミクロン株には感染しますし発症もします。ファイザー、モデルナのワクチンはどちらも新型コロナウイルスのトゲトゲの部分(スパイク蛋白)に対する抗体を作らせるものです。しかし今回南アフリカから出てきたオミクロン株はこのスパイク蛋白のアミノ酸が32個も従来のものと置き換わっています。そのためにスパイク蛋白の立体構造が変化しており、せっかく作った抗体が十分に機能しなくなっています。
しかしスパイク蛋白が変化したために肺細胞にあるACE2受容体に結合できず、肺の奥で感染することが出来ません。これがオミクロン株が上気道でのみ感染し肺炎等重症化を起こしにくい原因でもあります。オミクロン株はワクチンの効果は期待できないが、もともと重症化しにくい株だと言えます。
イギリスからの報告によると、ファイザー、モデルナどちらのワクチンも2回接種後2~4週ではオミクロン株の発症阻止効果は70%、10~14週後には30%、20~24週後には10%まで低下します。しかしデルタ株に対しては2回接種後5か月目まで発症阻止効果は80%を維持していました。
ファイザー製ワクチンのブースター接種後2~4週でのオミクロン株の発症阻止効果は80%、しかし10~14週後には30%まで低下しました。オミクロン株にはブースター接種の効果は期待できません。
3回目のワクチン接種は、将来再び出てくるかもしれない肺炎を起こし重症化する新型コロナウイルスに対する免疫をより強固なものにしておく準備だとご理解ください。
令和4年2月1日
松下 医院 松下 正幸