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STOP!コロナ狂騒局(3)

更新日:2021/08/24

-再度コロナワクチンを考える-
令和3年8月23日  松下 正幸

 13歳から18歳の中学生・高校生の年代にまで新型コロナワクチンの接種券が送付されました。大人は接種するかどうかを自分で判断して決定するのですが、この年齢の方は保護者の方とよく相談いただいて決めていただかないといけません。そのためには接種券を送付した自治体が判断の材料となる資料を開示し、テレビ、ラジオ、新聞、ネットを駆使して、ワクチンの種類、今までとの違い、起こりうる副反応等々を広く広報しなくてはいけないと思うのですが、そのような報道は全くありません。情けないかぎりですが、嘆いているだけでは前に進めないので、今回は新型コロナワクチンについて当院で接種の前にお話していることを書いていきます。よく読んでいただき接種するかどうかの判断材料にしていただければ幸いです。

 今までのワクチンは大きく分けて2種類ありました。生ワクチン(BCG、麻疹、風疹、水痘 等)と不活化ワクチン(インフルエンザ、日本脳炎 等)です。
生ワクチンは、何代も継代培養を行い弱毒化してはいますが感染能力のある病原体を体内に入れるもので、弱いですが実際に感染が成立します。そのため通常1回の接種で訓練免疫、自然免疫、獲得免疫(細胞性免疫、液性免疫)すべての免疫反応が獲得できる最強のワクチンです。
不活化ワクチンは、病原体をホルマリン等で切断処理し、タンパク成分(抗原)だけを精製して体内に入れるものです。抗原となるタンパク成分だけなので感染することはありません。したがって免疫がつきにくく通常2~3回接種します。獲得できる免疫は獲得免疫(細胞性免疫、液性免疫)だけです。
これらのワクチンはどちらも免疫反応を引き起こす物質(抗原)を体外で精製し体内に入れます。抗原に対して我々の免疫細胞が反応し抗体を産生します。この方法は何十年にわたる経験と実績があり、ほぼ安全性が確立されています。しかし、この方法には大きな欠点があります。時間と場所とお金が掛かるのです。通常これらのワクチンの開発には5~10年の歳月が必要です。今回のようなパンデミック時にはスピーディーに大量に全世界に供給出来ないのです。

 そこで考え出された方法がmRNAワクチン(ファイザー社製、モデルナ社製)です。両社のワクチンは体内に病原体のタンパク成分(抗原)を入れることはありません。そのかわり我々の筋肉細胞内に新型コロナウイルスのトゲトゲ部分を作るmRNAと言う遺伝子を入れ、細胞内のリボソームと言う器官を使ってスパイク蛋白(S蛋白)を作らせます。体外でスパイク蛋白(抗原)を作成し、それを精製して接種するのではなく、我々の筋肉細胞を培養器にしてしまうわけです。筋肉細胞内で作られたスパイク蛋白(抗原)に対して抗体が作られます。このようなメカニズムのワクチンは今回初めて実用化されました。

 mRNAという組み換え遺伝子を直接体内に注射することを心配される方もあると思いますが、mRNAは体内で長くても数時間で分解されます。ネットには「mRNAが遺伝子に組み込まれて将来ガンになる」などのいい加減な情報を発信している輩がいますが、今回我々が接種するmRNAは細胞質内で働き、核内に入ることはありません。核内から細胞質へmRNAが出て行くルートは存在しますが、細胞質から核内に入るルートは存在しないからです。
このmRNAワクチンは短期的には安全性も効果も大いに期待できると思います。実際ワクチン接種が進んでから死亡者数、重症者数は激減しています。ただ悲しいかなこのワクチンは接種が始まって1年も経っていないので、5年後10年後の安全性を見届けた人は一人もいません。理論的には安全と考えられていますが、当然長期的な安全性が完全に実証されてはいないのです。

 このワクチンの副反応は、注射部位の筋肉痛、倦怠感、発熱、関節痛等免疫反応が起きれば当然出現するであろう症状が大半です。これらの反応は2回目接種の時の方が強く、概して若年者の方が強い傾向にあります。ほとんどの方は1~2日以内に治まります。
「〇〇でワクチン接種当日に亡くなった人が出た」などとマスゴミは騒ぎ立てますが、日本では毎年5~6万人の方が突然死しています。突然死とは「元気であった人が症状が出現してから24時間以内に亡くなること」を言います。この内90%の死因(心筋梗塞、脳卒中、くも膜以下出血等)は診断されますが、10%は原因不明です。原因不明の突然死の方が毎年5000人いらっしゃるのです。毎日13.7人が日本のどこかで原因不明で亡くなられています。今新型コロナワクチンは毎日100~120万人の方に接種されていますから、その中にこの13.7人が入る確率はラフに計算しても10%ほどになり、10日に1回このような事例があっても何ら不思議では無いのです。これが3日に1回起きるようならそれはワクチンとの因果関係を考えることになります。2020年日本人の死亡者数は138万4544人で、毎日3782人の方がいろいろな原因でお亡くなりになっています。このことは憶えておいてください。

上記のようなことを新型コロナワクチン接種前にお話し、ご理解・ご納得いただいた上で接種させていただいています。

 保護者の方が一番危惧されるのは若年者に多いと言われるワクチン接種後の心筋炎ではないでしょうか。海外での報告ですが、心筋炎の頻度は100万人に25人程で、症状が出た場合も多くの方が回復しています。また日本循環器病学会は、新型コロナウイルスに罹患した人が心筋炎になる確率の方が、ワクチン接種で心筋炎になる確率より高いので、心筋炎を心配してワクチン接種を躊躇する必要はないとコメントしています。

 mRNAワクチン接種によりスパイク蛋白に対する抗体は産生されますが、それは血液やリンパ液中に存在し、口腔内、鼻腔、気管・肺胞の粘膜上にある粘液中には存在しません。コロナウイルスは粘膜に付着し侵入して感染が成立しますが、その過程にある粘液中には抗体は存在しないのでウイルス粒子を攻撃しこれを駆逐することは出来ません。これが意味するところは、今回のワクチンによって獲得した免疫では感染を予防することは出来ないと言う事です。「2回ワクチン接種した人が新型コロナに感染した」と言うバカな報道がありますが、自分たちの無知をさらけ出しているようなものです。コロナウイルスが細胞内に侵入して感染が成立すると、細胞は「こんな形のタンパク質(抗原)を持った侵入者が来た」と言うシグナルを出します。すると血液やリンパ液からその侵入者を攻撃する抗体が大挙して集まって来て体内から排除してしまいます。ワクチンを接種する意味は「感染を防ぐことではなく、感染しても発病しない、発病しても重症化しない」ようにすることです。新型コロナワクチンの事を十分ご理解いただき接種するかしないか御検討下さい。

 最後に私の個人的な考えを書かせていただきます。世界中で新型コロナウイルスが蔓延している状況を考えると、このウイルスが日本、世界から消え去ることはありません。ワクチンを接種するしないに関わらず、生きていれば必ずいつか感染します。それは明日かもしれないし1年後かもしれません。でも5年も先ではないでしょう。その時に何の装備も持たず丸腰の素手でウイルスと戦うよりは、抗体と言う武器を持っていたほうが戦いに勝利する確率は確実に高いと私は考えます。
人間「ゼロリスク」で生きていくことは出来ません。あなたの小学校、中学校、高等学校の同級生で既に亡くなられた方はいませんか?あなたとそのお友達が入れ替わっていても何ら不思議ではないのです。今この瞬間あなたが生きていることはある意味奇跡なのです。梅田を歩いていても人が降ってくることもあります。自宅に籠っていてもクモ膜下出血で突然死することもあります。
生きているかも定かでない5年後10年後のことを思い悩むより今を有意義に生きるために今何をすべきかをしっかり考えてください。

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